河野は現在、担当する都内の代理店、工務店に対してルート営業を行っている。
入社3年目であるが、入社後の1年間は積算業務を担当していたため、実際に営業活動を始めてまだ1年余り。“駆け出し営業マン”と呼んでいいキャリアである。
「今は仕事に慣れかけてきたかな、という段階です。営業活動を始める前に積算業務を経験したことで、商品知識を増やすこともできました。ただ、まだまだ経験不足ですね。営業は自分の責任で判断を下さないといけない場面もありますから。また、建築に関する幅広い知識をもっと身に付ける必要があります」
また、新会社三協立山アルミが発足して間もない時期ゆえの問題もある。
旧三協アルミと旧立山アルミでは営業スタイルに違いがあり、住宅建材部門では旧三協アルミのスタイルへの統一が進んでいる。
河野の担当する代理店、工務店はもともと旧立山アルミの顧客だったため、従来のスタイルを新しいスタイルに切り替えていかなくてはならない。河野にとってその作業は、かなりの労力を要するものなのである。
「正直言って、今は目いっぱいの状態ですね。判断力、仕事を進めるスピードも不足しています。例えば10年後の自分をイメージできる余裕はありません。だから、一歩ずつステップアップしていきたいと思っています」
河野は自らに言い聞かせるように言った。 |