日本の文化に携わっている意識を持ち、商談に臨む。
エクステリアは品質や機能に加え、
意匠性や装飾性も求められる。
田中の仕事は新築住宅向けの商品を代理店に提案すること。
相手の懐に飛び込む営業スタイルで、
取引先と良好な人間関係を築き、
ちょっとした会話を糸口に商機を見出す。
会社を担う人材になることを目指して、
営業マンとして着実にキャリアを築いている。
2007年入社 社会学部社会学科卒業
三協立山(株)三協アルミ社
埼玉支店
エクステリア部 エクステリア課
田中草平
2007年4月
2007年7月
三協立山アルミ(当時)入社
埼玉支店
エクステリア部 エクステリア課


営業マンとしての田中の役割は多岐に渡る。エクステリア課の取り扱うカーポートや門扉、フェンスなどの商品は、各地の代理店から工務店を通してユーザーの元へ届けられる。したがって、支店がある埼玉県内の代理店を回り、各所で自社商品をPRすることは基本中の基本だ。また、納入先となる新築住宅に通い、トラブルは起きていないか、しっかりと商品が納まるかなどのチェックも欠かせない。
このほか、過去に取り付けた商品の補修依頼を受ければ、その現場へと走る。中には名前すら分からない20〜30年前の商品が未だ「現役」という住宅もある。その時は写真を撮って持ち帰り、図面など資料で調べた上で再訪する。そのたびに、長く使う商品を扱っている仕事への意識を新たにする。
所属する埼玉支店は、全国トップクラスの売上を誇る。その環境の下、入社1年目から鍛えられてきただけあって、田中は自分に厳しい。印象に残った仕事を尋ねると、成功ではなく失敗談が返ってきた。 「M.シェードというカーポートを取り付ける際、高さを間違えて工事を進めてしまい、その対応に追われたことがあります。私が確認をしていれば未然に防ぐことのできたミスです。お客様や関係者の皆さんに迷惑をかけてしまいました」
言い訳一つもらさず、自分の非を潔く認める。責任感を持って仕事に徹してきた営業マンらしく、何事にも誠実な姿勢を貫いている。


埼玉支店ではここ数年、今後のターゲットとなりそうな販売店や代理店の担当者を、本社がある富山県へ招待している。アルミの押出や鋳造などの工程を巡る工場見学を通して、三協立山への理解を深めてもらうと同時に、見学後の親睦会で人と人の結び付きも強くしている。取引先との良好な関係作りは、営業マンの腕の見せ所だ。
「私たちの仕事はお客様との関係を築くことから始まります。商品の魅力を知ってもらうためにも、まずは自分自身を売り込み、相手の心に入り込むような営業を心掛けています」
田中の担当エリアには、いわゆる「一人社長」が切り盛りしている販売店も少なくない。先方が不在の可能性があっても訪問を繰り返し、顔や名前を覚えてもらい、やっと話を聞いてもらえるケースもある。
積極的な売り込みをあまり好まない顧客もいれば、決まった商品しか使わない顧客もいる。一筋縄ではいかないからこそ、商談には経験と技量が問われる。
「お客様にとって貴重な時間です。こちらの中途半端な商品PRで終わらないように気をつけています。先方から現在進めている現場の話を聞き出すなど、できる限り踏み込んだ話へと持っていくことを意識しています」
顧客のニーズに合った商品を提案するまで、決してあきらめることはない。


学生時代に地元・京都のネクタイ問屋でアルバイトをし、営業職に興味を持ち始めた。この頃から将来は生活に欠かせない「衣・食・住」のいずれかの分野に携わることを意識していたという。
「自分で向き不向きを考えて、最終的には消去法で『住』に決めました」と笑う田中だが、最終面接では少し変わったやり方で想いを訴えたと振り返る。
「全く手応えがなかったので、このままだと落ちると思いました。そこで、全員の面接が終わった後にもう一度、面接官の方に時間をいただいて再度自分をアピールしました。『この会社に入りたい』と伝えた後、『もし縁がなければ、別の会社でナンバーワンの営業マンになる』と宣言しました。どのような仕事をするかも分かっていないのに、よく言えたと思います」
このアピールが奏功し、無事内定を勝ち取った。しかもこの言葉は現実となる。入社後、初めて担当を持った直後、関東地区を対象に行われたカーポートの売上コンテストで見事1位を取ったのだ。
「どう考えても前任者の『貯金』を引き継いだだけなのに、当時は自分の実力だと思い込んでしまいました。心の中では天狗になっていましたね」
しかし、ここで田中への追い風は止まる。気づけば成績も急降下し、あらためて自分の選んだ道の厳しさを知った彼は、真剣に仕事と向き合うようになったという。


入社して6年。今では新築住宅の真新しいエクステリア商品を見ると、その商品を自分なりに提案する方法を考えるようになったという。住宅に欠かせない商品を扱う日々を重ねるうちに、田中はある考えにたどり着いた。
「ブロックを美しく積み上げる職人さんの技術や、フェンスやカーポート、門扉のデザインや性能の豊富さは、目を見張るものがあります。いつの間にか日本のエクステリアは、世界に誇ることのできる一つの文化だと感じるようになりました」
独自の視点から自分の仕事を捉えるようになり、意識や取り組み方も変わってきた。
「せっかく仕事をするのなら、いわゆる普通の営業マンで終わりたくはないですね。将来は会社を担うような人材になることを目標にしています」
だからこそ、数字にも全力で取り組みながら、現在どのような商品が求められているか、販売店などから挙がった声を本社の商品開発部門へとフィードバックすることにも余念がない。現在、先輩社員が担当している関東圏内の代理店を取りまとめる大役を、いずれは担いたいと意気込みを語る。
高い志を持ち、それに向けて一つずつ課題をクリアしていく。エクステリア営業マンとして、田中はまだまだ高みへと登っていくに違いない。
就職活動中のみなさんへ
古い考えかもしれませんが、私は一度入社したら、その会社でとにかく頑張るべきだと思っています。私の就職活動はあまり参考になりませんが、一生働き続けていくことのできる会社かどうか、自分なりに調べた上で、熱い心を持って採用試験に臨むといいでしょう。一緒に働くなら、前向きな気持ちを持っている方がいいですね。例えば、慣れない間は何かと質問することが多いと思います。しかし、仕事に追われる先輩にはなかなか声を掛けづらい。このような状況でもとりあえず話すことのできるガッツのある人が、この仕事には向いているような気がします。職場の雰囲気が明るくなるようなエネルギーを持つ人が、エクステリア営業の一員に加わる日を待っています。
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