営業マンとしての田中の役割は多岐に渡る。エクステリア課の取り扱うカーポートや門扉、フェンスなどの商品は、各地の代理店から工務店を通してユーザーの元へ届けられる。したがって、支店がある埼玉県内の代理店を回り、各所で自社商品をPRすることは基本中の基本だ。また、納入先となる新築住宅に通い、トラブルは起きていないか、しっかりと商品が納まるかなどのチェックも欠かせない。
このほか、過去に取り付けた商品の補修依頼を受ければ、その現場へと走る。中には名前すら分からない20〜30年前の商品が未だ「現役」という住宅もある。その時は写真を撮って持ち帰り、図面など資料で調べた上で再訪する。そのたびに、長く使う商品を扱っている仕事への意識を新たにする。
所属する埼玉支店は、全国トップクラスの売上を誇る。その環境の下、入社1年目から鍛えられてきただけあって、田中は自分に厳しい。印象に残った仕事を尋ねると、成功ではなく失敗談が返ってきた。
「M.シェードというカーポートを取り付ける際、高さを間違えて工事を進めてしまい、その対応に追われたことがあります。私が確認をしていれば未然に防ぐことのできたミスです。お客様や関係者の皆さんに迷惑をかけてしまいました」
言い訳一つもらさず、自分の非を潔く認める。責任感を持って仕事に徹してきた営業マンらしく、何事にも誠実な姿勢を貫いている。
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