工場の効率化を徹底して、生産性をさらに高める。
生産技術課では工場の生産性を高め、
機械や設備の安定的な稼動を保っている。
三協立山の生産部門にはコストダウンを
専門とする部署がある。
そこで企画立案と実行を担っているのが、
島田の所属するプロジェクトチームだ。
ベテラン社員に交ざって新たな経験を積みながら、
モノづくりの現場の改善に挑む。
2007年入社 工学部土木建設工学科卒業
三協立山(株)三協アルミ社
生産技術部 生産技術課
島田雅彦
2007年4月
2007年7月
2010年6月
三協立山アルミ(当時)入社
生産技術部 金型技術課
生産技術部 生産技術課


入社6年目の島田は現在、プロジェクトチームでコストダウンを推進する業務に当たっている。それまでは金型を用いた加工の工程設計やラインの設置などモノづくりそのものに携わっていた。
「これまでとは守備範囲の違う分野なので、不安は正直ありましたが、自分のやるべきことをやるしかないと仕事に打ち込んできました」
島田は主にデータの収集や資料作成などを任されている。
例えば、ある製品の生産工場が各地に点在している場合、それを1カ所に集約することで無駄を省ける。その下準備として工場ごとに使用している金型や形材の部品番号を調べ、同じモノをどれだけ生産しているかを集計した客観的データが必要となる。そのために対象製品の出荷データなどを基に、使われた資材を逐一チェックしていくのだ。
「生産現場の経験がある人ならば、どこから改善すればよいかは分かると思います。しかし、会社として最終的な決断をする時は、確かな根拠が無いと難しいでしょう。慣れないうちは、どのデータから手を付けて良いか分かりませんでしたが、経験豊富な先輩方の指導のおかげで今では問題ありません」
いつまでも経験不足を言い訳にはできない。島田は一日も早く戦力になることを自分に課している。


データ集めに励む一方、島田は生産現場での経験を買われ、装飾窓の生産ライン移設も任されている。
ある工場に主力商品の生産ラインを集めるためには、それ以外の製品の生産ラインを他の場所に移してスペースを空けなければならない。島田は何度も現場に通って、対象となる設備をいつどのように動かすかなど、関連部署と調整を進めてきた。
「ラインの移動は想像以上に大変な仕事です。1台のトラックに数機しか機械は乗せられないのに、ラインによってはそれが40〜50機もある。プロジェクトの大きさに身が引き締まる思いです」
業務はデスクワーク中心だが、設備を移動する日が決まると、現場にいる時間が増えてくる。スケジュールを立て、実行日までに必ず達成しておくべきことをリスト化して、それを一つずつ確実に遂行していく。直前になって何かを忘れていたことに気づいたのでは手遅れだ。
初めての経験の連続に何をすべきか分からなくなることもあるという。そのような時に頼りになるのは、やはりベテランの存在だ。報告のたびに、適切な指摘を受けるという。
「プロジェクトチームに配属となってから、気がつけば専門用語や仕事の流れなど新たに覚えたことが増えた」と島田は言う。それが彼にとって、仕事へのモチベーションを上げる喜びとなっている。
「入社当初は金型のことしか分かりませんでした。次は設備、そして資材などさまざまな部署で積んだ経験が確かに現在へとつながっています。自分の可能性が広がることに、やりがいを感じますね」


生産現場は決してルーチンワークに終始しない。生産技術課は個人の考えを尊重する部署だという。提案が受け入れられるなど自分の考えが業務に反映されると、現場を見る目も変わってくる。島田も生産の現場で十分に個性を発揮しているようだ。
「もちろん生産部門ですから、図面通りに製品を仕上げなければいけません。それを踏まえた上で、どうすれば作業がしやすいかなど、アイデアを出して実行することも大切です。今担当しているラインの移設もそうです。私たちが大丈夫だろうと思っていても、現場からはさまざまな声が上がります。自分の意見を通すことが目的ではなく、生産ラインをより良くするため、あらゆる意見に耳を傾けています」
生産規模を縮小する場合、専用の設備から手作業へと製法を切り替えなければならないことも多い。そうなると仕上がりに誤差が生じる恐れも出てくる。
もしも、作業員が手作業に不安を感じているようなら、どうすれば均一に仕上げることができるかを考え、専用の補助工具を用意するなど、現場ごとの対応も求められる。
入社以来、島田は「報告・連絡・相談」を心掛けている。
「自分一人でできることはどんどん進めたいタイプなので、こまめに報告をするように意識しています。今の部署でも想定外のことが起こったら、すぐに先輩に報告するようにしています。新しい仕事に取り組むようになって、基本の大切さをあらためて感じています」


地元富山で就職することは、学生時代から決めていたという島田。土木を専攻していた彼は、建設、建築関係の職に就くことをイメージしながら、地元企業の資料に当たってみた。
数ある企業を調べているうちに、「三協立山」の名に目が止まった。中学・高校の部活動で、本社の隣にある高岡市竹平記念体育館に何度も通っていたため、三協立山はとにかく身近な存在だった。自宅のサッシは同社の製品だし、同社に勤めている親戚もいる。地元志向が強かった島田にはぴったりの会社だった。
島田は、この会社の良さは人にあると思っている。
「地元の企業だけあって、私が勤務している工場にはとくに富山出身の方が多いですね。親しみやすい方が多くて、職場の雰囲気も和やかで働きやすい環境です」
目下の目標は、現在進めているライン移設を無事に終えることだ。経験が物を言う職場なので、いつかはマニュアルを後輩へと残すつもりだ。
現場の改善に終わりはないだろう。だからこそ、これからもさまざまな仕事に挑戦できる。また新たな経験と挑戦の日々を、島田は待ち望んでいる。
就職活動中のみなさんへ
さまざまな企業の採用試験に臨んで、場数を踏むことをお勧めします。とくに面接の経験は実戦を積むに限ります。他の企業の最終面接で、私以外全員、大学院生だったことがありました。面接終了後、その院生たちから「僕たちより落ち着いている」「良いことを言っていた」などと声を掛けられました。自分では気づかないうちに、自信を持って受け答えができるようになっていたようです。交通費などお金の問題もありますが、どんどん受けて経験を積みましょう。職場にはいろんな性格の人がいてもいいと、私は思っています。ただし、好奇心と忍耐力は必要だと断言できます。一緒に個性ある仕事をしたいですね。
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