入社6年目の島田は現在、プロジェクトチームでコストダウンを推進する業務に当たっている。それまでは金型を用いた加工の工程設計やラインの設置などモノづくりそのものに携わっていた。
「これまでとは守備範囲の違う分野なので、不安は正直ありましたが、自分のやるべきことをやるしかないと仕事に打ち込んできました」
島田は主にデータの収集や資料作成などを任されている。
例えば、ある製品の生産工場が各地に点在している場合、それを1カ所に集約することで無駄を省ける。その下準備として工場ごとに使用している金型や形材の部品番号を調べ、同じモノをどれだけ生産しているかを集計した客観的データが必要となる。そのために対象製品の出荷データなどを基に、使われた資材を逐一チェックしていくのだ。
「生産現場の経験がある人ならば、どこから改善すればよいかは分かると思います。しかし、会社として最終的な決断をする時は、確かな根拠が無いと難しいでしょう。慣れないうちは、どのデータから手を付けて良いか分かりませんでしたが、経験豊富な先輩方の指導のおかげで今では問題ありません」
いつまでも経験不足を言い訳にはできない。島田は一日も早く戦力になることを自分に課している。
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